| ●2008年3月の風月譚 沈黙の螺旋(スパイラル) |
| 弥生三月の声を聞くと北国育ちの私にとって心弾む気分となります。 太陽の光も和らぎ粗目雪(ざらめゆき)の下から福寿草の黄色い花弁と緑の枝葉の醸し出す コントラストは雪に映え、自然の創り出す神秘的美しさを感じます。肌に触れる風も春の 到来を予測させ、「ネコヤナギ」の蕾の膨らみも又、生命の息吹の力強さに元気付けられます。 私が歴史を学んだなかで理解できなかった事例として、なぜドイツ人があの 残虐非道なユダヤ人虐待などに至ったナチスなる政権を容認したのか、先ずあげられます。 この件に関し、小森陽一氏が明確に説明しておりますので転用させて頂きます。 『沈黙の螺旋(スパイラル)は、ナチス・ドイツが開発したマス・メディアの操作方法で、 小泉元首相はこの手法を使ったとの事で、我々もドイツの国民と同じような危険な選択に 直面しているという、認識を持つ必要がありそうです。 沈黙の螺旋(スパイラル)は四段階で成立するようです。 1.権力の中枢に居る為政者が突然国家にとっての仮想敵を内側と外側に声高に 特定する。構造改革と郵政民営化など。 2.反論や批判が出なかった事を理由に、この仮想敵との戦いこそが、国民の総意、 国民的課題であり、国益であると、為政者が更に声高に宣言する。 3.遅れて出てきた反論や批判をした者は国民への裏切り、国家への敵対として 徹底して非国民としてレッテルを貼り、弾圧し社会から排除する。 4.この過程を見せ付けられた多くの人々は勝ち馬に乗ろうと為政者を支持し、 社会から排除されることを恐れて反論や批判を一切口にしなくなり、 その沈黙は、どんどん螺旋を巻くように深まっていき、誰もその為政者に対し 反論や批判をするものがいなくなっていく・・・・』 郵政民営化YESかNOかという単純化した二者択一に落とし込んだ2005年の 総選挙の、解散から投票にいたる全過程は、まさにこの沈黙の螺旋(スパイラル) を小泉元首相がマス・メディアを使いこなし、国民の前に演じきった成果といえます。 当時のドイツにおいても、今日の日本においても、国民の不満を如何に引き付け、 その解決のエネルギーを為政者に委ねた結果、予想だにしなかった国家形態が 生まれ、取り返しの付かない事態を招いたことは、周知のとおりであります。 このことは、大衆の操作はいたって簡単・容易であることを示しております。 特に、裏づけに使われる資料は、為政者に都合の良いものばかりが強調され、 批判・反論を許されないとの認識にたつ必要があります。 新設の空港・道路の需要予測においても、実態を知ろうとせず、期待値を並べ、 工事の実現可能な数字を捏造している有り様を多数見てきております。 造ってしまえば、赤字だろうが採算の話しは遥か彼方にいってしまいます。 後日、採算が採れない事が明らかになると、前任者に転嫁し、原因すら追求 しようとしない社会となっております。 今日、自民党の政権下の制度疲労は目を覆いたくなることがたくさんあります。 一般会計の四倍になる特別会計にメスを入れることなく、財政再建をうたう 事自体、国民を騙しているといえます。 従って、民主党が政権を握ろうとするのであれば、この沈黙の螺旋(スパイラル) を逆手に取り、徹底的に国民に訴えるべきであります。例えば: ・ 国を私的に濫用している官僚を国民の敵と想定。 ・この国の国債残高が800兆円を超えたことで明らかのように、世界一の借金大国 であることから脱皮を大声で謳う。 ・あらゆる官庁での無駄遣いをやめるために2月3月の歳出に関しては厳しく精査する。 ・ ある目的を設定し(縦軸)、関連する行政府(横軸)を横断的に活用する マトリックス方式にすることで、金と権限の分離。 例えば、食の安全に関しては言えば厚生労働省、農林水産省、公正取引委員会が 各々の立場で意見を述べておる現状を、一元化する。 この国の歴史を振り返ってみると、坊さんが政治に余りにも容喙(口出し)した ことを避けて奈良から京都に遷都したこと、戦国・織豊時代から江戸幕府までの 新し秩序を築いたエネルギー、そしてペルーの来航など外圧による明治維新、 敗戦にともなう新国家成立など常に、時代の変化に対応してきました。今日も また、将来の国のあり方を決める大切な時期であるといえます。 中国(黄色人種)の台頭のなかで、従来の米国(白人)との関係をどのように 捌くか、この国(黄色人種)の将来像を描く必要があります。 このように大事な時期であるにも拘わらず、なんとなく政治家の資質が明治維新時代 より劣るのではないかと感じるのは、些か残念な限りであります。 P/S 月の声とともに,桜前線北上など楽しみが身近なものとなります。 更に、楽しみであるMLBも3月末に始まるのは、元気でいる事で楽しめるおおきな 喜びであります。 |
| 上記のコラムに対して民主党武蔵野市議会議員 深沢達也さんからの感想を いただきましたので掲載いたします。 |
| 土田信吾 様 民主党東京都第18区総支部 幹事長代理 武蔵野市議会議員 深沢達也 突然のメールにてお許しください。地元の菅直人事務所にて、久重倫子さんから 『沈黙の螺旋(スパイラル)』の写しをいただき、早速一読させていただきました。 共感するところがあり、感想を送らせていただく次第です。 ドイツにおけるナチス台頭の問題ですが、ゲーテやヘルマンヘッセに代表される均衡のとれた 思想が生まれ、同時にドイツ人が医学に代表される科学的なものの見方や論理的な考えの 組み立てをするのに、何故、ナチスの台頭を認め、フアッシズムが猛威をふるう結果となったのか、 私も以前から不思議に思っていました。 ご記載の『沈黙の螺旋(スパイラル)』の成立にいたる4段階については、なるほどと思います。 小泉首相がこれに倣ったかどうかは分かりませんが、郵政民営化是か非かの大旋風をまきおこして 一気にかけぬけ、権力を拡大した当時の状況は確かによく似ていると思います。また、ご指摘の、 特別会計の問題など国の制度疲労、矛盾については、特殊法人の問題をふくめ、その通りと 認識しています。 ご指摘の『沈黙の螺旋(スパイラル)』を民主党が逆手に取れ、とのご提言については、これもなる ほどと思いました。行政府の金と権限の分離、そのためのマトリックス方式の駆使については、 私も地方自治の立場ではありますが共通するところがあります。よく勉強したいと思います。 最後の、アメリカ(或るは白人)との関係をどう捌くか、黄色人種の将来像を描くべき、とのご指摘に ついては、この仕事は日本の新しい時代を切り開く原点になると感じました。 甚だ簡単で恐縮ですが、一読後の感想にかえさせていただきます。 |
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