| ●2007年10月の風月譚 ローマ人の物語(塩野七生著) |
| この本を読む切っ掛けは、人類史上最初の帝国の名を持つ「ローマ帝国」が なぜ崩壊に至ったのか、併せて今日のアメリカという強国が将来どのような原因で その地位を失うのかを歴史の中から学びたいという気持ちから,読み始めました。 併せて日本がどのような立場を将来に亘りとることが肝要であるか考えてみようと 思った訳であります。 15巻で脱稿したとの事で、春先は彼女の存在がクローズ・アップされました。 残念ながら単行本では28巻が出版された時期で、これで終わりなのか私の目的に 対し半分位しか得られなかったので些かがっかりしておりましたが、しばらくして 単行本3巻が追加され最終的には40巻になるそうで、当初の目的の解が網羅される ことを期待しております。 この本の既刊内容は下記のようになります。 ・ ローマは1日にしてならず ・ ハンニバル戦記 ・ 勝者の混迷 ・ ユリウス カエザル ・ パクス ロマーナ ・ 悪名高き皇帝たち ・ 危機と克服 ・ 賢帝の世紀 ・ すべての道はローマに通ず ・ 終わりの始まり ローマ帝国は今日のEUよりも広い地域をその配下におき、その歴史遺産からも明らかな ように空前絶後の繁栄をもたらしました。 帝政以前の共和制は今日の議会制よりも遥かに優れていることを示し、「政治と金」に関し 厳しい規制を設けておりました。 ハンニバルに関しては,出国以来16年間も敵地で戦った敵将の才知あふれた素顔を推測 できます。ルビコン川を渡るなどの言葉のもつ意味合いに関し、当時のカエザルの置かれた 立場と彼の天才的決断の的確さに驚くばかりです。 以上はこの本のごく一部でしかありませんが、ヨーロッパ・イギリスに旅する方はその土地の 歴史的背景を知っているとだいぶ違った見聞を得ることになると思います。 各本の中に、著者のオリジナルの文か既に言われてきたことなのか定かではありませんが 記憶しておくに素晴らしい表現があります。 =愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ =文章は簡潔明瞭で更に優雅でなければならない(カエザルの言葉) =寛容の精神は支配する側にとって必要不可欠である 等2,000年も経た今日でも十分通用することが随所に出てきます。 私も,当初の目的とは外れるのですが、この様な文章に出会うことが楽しみで読みつづけて おります。 以来、塩野さんの文章には関心を示し、文芸春秋の毎月の寄稿文とか、五木寛之氏との対談 「おとな二人の午後」など新鮮な感興を与えてくれます。 私は、今日まで女性作家の文章に関してほとんど読破した事はなく、今秋の直木賞の本 「吉原手引草」も途中で止めてしまう状況ですが、この「ローマ人の物語」は作者が女性である 事の意識を感ずることなく31巻まできたことからして、著者は従来の女性の視点を超えている のではないかと感じております。 ローマ人に関し、見直したことは、たくさんあります。 15世紀、スペイン人もイベリア半島の雄として海外に飛躍した時期がありましたが、共通して いることとして、とにかく個性的な2枚目が多い事と歌が上手いようです。隣国のギリシャから 哲学など学問の根幹になっていたものを重要視し、今日以上に知的水準は高かったといえます。 何かマフイアに代表される恐ろしい一面もイタリアの一部でしょうが、ファッションなどの個性的 商品の開発力に歴史の長さを感じる次第です。 今日まで帝国の崩壊に関して共通する道順: ・ 繁栄の中に堕落が生まれる ・ 内部の秩序統制機能が落ちる ・ 財政力/軍備力が劣化する ・ 外部からの圧力に抗し切れなくなる 以上が崩壊の順路のようですが、今日のアメリカは歴史から何を学び何時まで帝国であり得るか 興味の尽きない所であります。 ローマの崩壊の一つは「キリスト教という一神教に変容した事」その結果 「寛容精神が無くなった事」などが挙げられますが、一神教は「経典」をもたらし「聖職者」を生み 政治そのものが宗教の過度な影響を受けるようになる。 最後に著者の私が気に入っている言葉: “自由”とはラテン語でLibertasといって個人の人格の尊重として、自分だけでなく、他者のそれを 守る意思とローマ人は解釈している。 他者を尊重するという点に注意してください。 つまり、自分とは信仰が違っても、他人の人格を尊重しようという寛容さこそが自由なのです。 だからこそローマは多人種,多民族,多文化そして多宗教という複雑な背景を抱きながら 共生できた。 P/S 1年前の総理就任時と隔世の感の風情をもたらした安倍さんと福田さん。 親とか連れ合いとかじい様とか競馬馬の血統を表すような欄が必要になりましたね。 |
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| 2007年 | |
| 9月 | 出世の心得 |
| 8月 | 4年振りのマレーシア |
| 7月 | 盛夏に向かって |
| 6月 | 半世紀の時間 |
| 5月 | ボストンのある一面 |
| 4月 | 4月は新年度 |
| 3月 | 四季の変化 |
| 2月 | これは「美しい国」のやることか |
| 1月 | 平成19年 新しい年を迎えて |
| 12月 | 一犬虚に吼えれば、万犬実を伝う |
| 11月 | この国の歪んだかたち |
| 10月 | 2×125乗≒無限大 |
| 9月 | 5年と5ヶ月 |
| 8月 | イランそして「ペルシャのめぐみ」 |
| 7月 | 戌年の前半6ヶ月 |
| 6月 | 高山定美さん |
| 5月 | 札幌への思い入れ |
| 4月 | 「西宮」について |
| 3月 | 谷口直之君の退職記念出版に際して 高校時代 と その後・・・ |
| 2月 | GOOD BYE Mr.CHIPS(チップス先生さようなら) |
| 1月 | 新しい年 平成18年 |
| 2005年 | |
| 12月 | 酉年を振り返って |
| 11月 | トンカット・アリと6年 |
| 10月 | NHKラジオ深夜便 |
| 9月 | 智と徳 |
| 8月 | 終戦60年-怒りそして悲しみと苦しみの中で 戦争遺児として私の一言 |
| 7月 | 上期4題 |
| 6月 | 椿ちゃんは2歳 |
| 5月 | 25回目にあたって |
| 4月 | 4月は新たな出発の月=私の高校時代= |
| 3月 | 故郷 札幌 昭和30年頃まで |
| 2月 |
雪池忌によせて |
| 1月 | 酉年にあたって |
| 2004年 | |
| 12月 | 平成16年を振り返って |
| 11月 | 書物は知識の源泉 |
| 10月 | 故 野中 孝一さんと「SPIN トレーニング」 |
| 9月 | ハインリッヒの法則(1:29:300)とパン屋の経営 |
| 8月 | 私のPROJECT−X 甲子園への道(PART2) |
| 7月 | 私のPROJECT−X 甲子園への道(PART1) |
| 6月 | 6月10日は時の記念日 |
| 5月 | FENWAY PARKの思い出 |
| 4月 | お釈迦様と四聖諦八正道 |
| 3月 | 『起業5年目にあたって‐‐新たに知った事・新たな財産』 |
| 2月 |
『OFFSET BALANCE』(得たものと失ったもの) |
| 1月 | 『暴君の初夢』 |
| 2003年 |
| 『6歳のLADYに学んだこと 』 |
| 『文化そして万歳三唱 』 |
| 『GOLD FINGER 荒木 敏明 君 』 |
| 『9月11日とイスラムの人々 』 |
| 『戦後と58年後の今日 』 |
| 『三色旗ー自由,平等,博愛 』 |
| 『JUNE BRIDE (6月の花嫁) |
| 『とつき十日の下宿屋の宿賃』 |