●2006年11月の風月譚 
この国の歪んだかたち


 安倍新内閣が誕生し1ヶ月以上経ちました。
今日でも,支持率は70%前後と快調な滑り出しとの事です。
過日の国会の中で国の財政状況が明らかになった事,更に教育基本法改定がこの内閣の
主要の目的であるとの事ですのでこの二点に言及してみようと思います。
 国の財政状況が明らかになりました。
例えて言うならば,夫婦二人の家族の年収が960万円でその生活規模は1,360万で年に
400万円の借金をした生活をしていることになります。
累積の借金は7,750万円になるということです。
違った視点から,特に国民の社会保険の負担率から見ると、GDP100に対し32%と先進諸国
では最低との事です。
スエーデンは70%,アメリカにおいても医療の個人負担を入れると40%になるようです。
従いまして国はGDPを100とした時、150%の国の予算を組み毎年累積赤字が幾何級数的に
増える現状があります。
夕張市のように財政が破綻したのは、単年度の遣り繰りを繰り返す中で、すなわち穴埋めする
借り入れが不能となり精算が出来なくなったために、破綻が明らかになりました。
どうもこの事例は夕張市に限らず、地方自治体が同様の実情に直面しているのではないかと
推測しております。
そもそも国債の発行は道路整備を目的としたものでありましたが,今日では950兆円とも1,000兆円
ともいわれておりますが,他方で国民の総資産(貯金、生命保険など)が1,200兆円あるから
大丈夫という論者がおりますが、果たして大丈夫なのか疑念はなくなりません。
 これは中小企業が,支払いに手形を発行して資金操作をして営々と日々凌いできた所に,急に
現金で決済をしなさいと言われたら,中小企業は倒産するしかありません。
私が勤めていた米国企業で日本の企業は約束手形(Promissory Note)で支払いをし,その満期
が90日とか120日後と言ったら、理解が出来ないからと何度も説明を求められた事があります。
EUの国の中では,契約時に半額、納入時に残額支払いという極めて健全な販売取引条件を
慣行としているところが多数あるようです。
約束手形の効能はあることは事実ですが、1度手形に身を染めると麻薬の如くその悪しき慣行
から抜け出すのは至難の技といえます。
従いましてこの国の財政状況打破するには、国民は現実を直視し負担すべき所は負担し,行政に
おいて談合汚職を一掃し透明な政治をしなければ、この現状から脱皮できないのではないかと
思います。

教育基本法改定の最大の焦点は愛国心との事です。
私は,今日の社会の荒廃が「家庭」にあると、何度もこのページで記載してきました
福沢諭吉の言葉:
 一家は習慣の学校なり
 父母は習慣の教師なり
のように、教育の原点は家庭にあり、そしてその地域が暖かく包み育て,更に足りないことを修学
レベルに応じて学校が教えるとの基本的な仕組みがあります。
しかしながらこの仕組み、すなわち家庭が崩壊し地域の交流が途絶えた中で
学校・教師に全ての責務を持たせるのは,恰も「砂上の楼閣」といえます。
 教育改革と声高に叫んでいますが,国はどのような人格形成を志向しているのか,ゴールが
不明瞭であり、そのための仕組みもないまま,烏合の衆を集めて出てくるものは「総論賛成各論
不明(実施方法無し)」で、集会を重ねても意味の無いままに終わることでしょう。
国が教育の将来に目指すものは,英才教育を目指すのか、平均的に学力水準を挙げようとする
のか、個人の個性を育てるのかは全く明らかにされておりません。
この様な背景の中で,愛国心を育てるというのは、自国の利益を最優先するような国際社会に
通用しない「不逞の輩」が排出するのみで終わるのではないかと、危惧するものであります。
私の提案としては,先ず「善悪」を判断できるような習慣を身につけること、そしてフランスの
ように「哲学」の科目を設けることを薦めたいと考えます。
12歳以下の携帯電話を活用し犯罪に関連した人数は1、000人を超えております。
物事の良し悪しの判断が出来ない,教えられてない証左と感じます。
「哲学」と言う言葉が適切とは言えませんが,考えることを放棄したような画一的な表現,語彙
の限られた表現は、あたかも漫画,劇画,ゲームの世界と現実を区別できない思考に留まる
危険性を感じますので、「考えること」をもう一度教育の中に取り上げてもらいたいものです。
 最近NTV(4チャンネル)で中学2年,3年の子供が妊娠出産のドラマを放映しておりましたが,
こんな話しを聞きたくも無いし見たくも無いし、古い言葉で言うと「唾棄(だき)すべきこと」を放映
する担当者の頭の中を見たいと言う気になります。
こんなのがまさか純愛などという言葉とは無縁のことと思いますが,いい加減にしてくれという
のが,「チョイ悪親父」でも感じる事であります。
俺もかなり世相に暗くなったかな・・・
 本題に戻り,教育の目指すのは国連の事務総長に限らず多方面で、自国の文化を背景に
「寛容」にあふれた人材が育ってくれるような仕組みの確立を希望したいものです。

P/S:
 日本ハムの優勝は我が故郷に希望を与えてくれました。ありがとう感謝カンシャ・・
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