| ●9月の風月譚 『ハインリッヒの法則(1:29:300)とパン屋の経営』 |
| ハインリッヒの法則(1:29:300)とパン屋の経営 連日の猛暑は何処へやら、今年も蝉しぐれと鈴虫の音色に、秋の到来を感じる頃となりました。 今日迄を振り返ってみますと年頭の鳥インフルエンザ,長崎で起きたような犯罪の若年化、 そして三菱自動車のリコール問題、更に美浜の原子力発電所内で起きた配管の肉厚の 腐食等、大きな社会問題がありましたその他では、韓国のドラマが中高年女性を捉えた様 ですし、ギリシャのオリンピックでの日本人の活躍に寝不足の毎日が心地良い思い出となり ました。 大きな社会事件を精査する上で「ハインリッヒの法則」という考え方があります。 簡単に言いますと1つの重大な事故(ACCIDENT)の裏には29の小さな事故(INCIDENT)と、 携わる人々が感じた300の潜在的失敗・不規則なこと(IRREGULAR)が内在しているとの事 です。 元々この法則は労働災害の発生確立を分析する上に有効な手段として活用されてきたようです が,今日事業における失敗発生率を捉える際の有効な指標として又,社会現象を捉え今後の 在り様を予測になる上でも有効な一手段ではないかと思いこの法則に触れてみようと思います。 私自身、現在西宮で小さなパン屋を経営しておりますが,毎日150人から200人近くのお客様が 来店してくれます。 先日、来店者から接客態度に関して苦情を頂きましたこの件をこの法則に基づき顧客の動向 実態を把握してみようと思います: ・ 不満を持つ来店者の96%は店に対し何も言わない ・ 苦情1件あると問題を抱えた来店者は他に24人存在する ・ その内6人は深刻な問題として感じている ・ 苦情を言った来店者は苦情を言わなかった客よりも継続的に店との繋がりを持とうとする ・ 苦情を訴えた来店者の54%から70%は問題が解決されれば再び顧客になり、速やかに 満足な解決が得られると95%が常客となる ・ 苦情を感じた人は平均9から10人にその事実を話す 特にその内13%は20人以上に話す ・ 苦情を言い問題が解決された顧客は,平均5人から8人に話す ・ 反対に苦情が解決されなかった顧客はその悪い経験について8人から16人に話す 以上の様に不満を持った来店者の96%は店に対して何にも言わない。 つまり1:29:300の法則における29の苦情は,不満を持った顧客のうちわずか4%が発する 苦情に過ぎないことなり、仮に29の苦情が発せられたとするならば,不満を持った来店者は単純 計算で725人居ることとなります。 この数値は業界により異なるとは思いますが,パン屋の経営上において等閑に出来ない数値と いえます。 頂いた1件の苦情の裏には24人の人が同様の感じ方をして居たと言う事は 大変な数値ですし,適切な対応を図らなかった際は口コミで悪い評価は止めど無く蔓延する事が 明らかになりました。 来店者の方の10%から15%が接客態度に問題ありと感じているとしたら早晩このパン屋は 存在すら出来ない事となりますので、早速この事態を携わる従業員に伝え十分話し合い, 問題の本質を共有化し再発防止に心掛けるようにしました。 来店される方に毎日同じように接していましても,受け止める方の気分・心情で異なってしま いますそうかといって米国型のマニュアル化を図り、木で鼻をくくるような対応もまた如何と 思いますので、来店頂いた方に本当に感謝の気持ちで接する事と、来て頂いた方に出来るだけ 長く居て頂き満足感を持って帰ってもらえるようにする事と感じております。 普段,私はパン屋(西宮)と離れた東京におりますのでこのような苦情,要求を大切にし、来店 顧客の指摘を正面から真摯に受け止め速やかに対処することが必要だと感じております。 苦情を述べた方は、店に対してある種の期待感を持って来店したにも拘わらず、満足の行く 対応を得られなかった事に怒りと失望感を持った事は明らかですので,期待以上の対応を図る ことが真の継続的関係を維持する上で大切な事である事は申すまでもありません。 パン屋の運営にも顧客の動向は無視できない事は標記のとおりですが,リコール問題で揺れる 三菱自動車の中でこの法則を知り得る人が居たなら(居たはずですが提起する会社風土が無 かったのでしょう)、パジェロに代表される顧客の信頼を回復し存亡の危機を回避する事が可能 であったのではないか残念ですね‐‐。 今日の社会状態をこの法則に基づき現況を29の小さな事故?として私なりに挙げてみようと思 います。 《個人の問題》 ・ 自分の事を考えなくなった/安易な生き方 ・ 目標設定と自己実現への挑戦不足(偏差値教育の弊害) ・ 廉恥心・公徳心の欠如(車内における化粧等) ・ 自立性と自律心の欠如 ・ 国語力の低下 ・ 自分本位と無責任 《社会/生活》 ・ 公平な機会の減少(ドラフト制等) ・ 自然破壊と東京一極集中 ・ 安全性神話の崩壊 ・ 核家族/少子高齢化社会の到来 ・ 二極化/貧富の差拡大 ・ インスタント食品の過度の普及 ・ 携帯電話の功罪 ・ 劇画の蔓延/仮想と現実の識別不足 ・ 麻薬/拳銃の蔓延 ・ 安易な性の商品化 ・ マスメデイアの低俗化と一過性 ・ 分析偏重で対応策策定の遅延 ・ DATA/情報開示の御都合主義(年金問題等) ・ 教育/年金/介護医療の社会化(丸投げ) ・ 過度の経済性効率の追求 《政治・政治屋》 ・ 富と権力の一極集中 ・ 金権政治の蔓延 ・ 自己中心/自己権益の拡大と世襲性 ・ 智と徳/経倫の欠如 ・ 総合視点の欠如(目的と手段の混在) ・ 先見性の欠如(採算性と国際化問題) ・ 戦略より戦術重視 ・ 宗教団体の過度の容喙 以上の29の小さな事故から今後を予測した際、どうも先行きが明るくない,社会が健全でない ような気がしますが一つ明らかなことは「新しい身分社会」が生まれるのではないかと思います が、皆様如何感じますか?? P/S 夏の高校野球も深紅の大優勝旗が津軽の海を渡り,オリンピックでは16個の金メダルと感動 の連続でしたが「おめでとう」そして「ありがとう」の言葉以上に何か相応しい言葉はありません かね・・・ |
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